飴玉感覚
01


安らぎを求める。
それだけだったのに…

今日も僕はネットワークに依存する。
悪い薬に捕まったかのように。
僕の存在はまだ曖昧で、存在の証明になる他人も傍にいない。
僕はまったくの一人ぼっちなんだ。
家族。いるらしい。
友達。あるらしい。
それでも僕にはネットワークの曖昧さの方が肌に合っている。

お菓子をかじるように情報をかじるのが好きだ。
好きなところだけかじればいい。
とろとろと溶かすのも好きだ。
だから僕はこう呼ばれた。
飴玉ネットワーカー。

飴玉感覚で行こう。
甘いままでいい。
飴玉感覚で行こう。
子どもの感覚でいい。

僕はどんどん大人になっていく。
子どもの僕は否定されていく。
大人になる事だけが肯定されていく。
僕はそれが恐い。多分、怖い。
子どもでいられるここが好きだ。

いつものようにゴーグルかけて、視界からいらないものを追い出す。
ゴーグルにうつるのはネットワークの世界…
それを視覚化したもの。
ネットゲームだってもっとリアルだし。
チャットだってもっと楽しい。
僕はこうして飴玉ネットワーカーになった。

飛び回れ飛び回れ
ネットの海を軽やかに
僕は飴玉ネットワーカー


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