斜陽街で逢いましょう
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娘々はとある電脳内の喫茶店にいた。
飴玉ネットワーカーを取り逃がし、ちょっと落ち込んでいたからだ。
コーヒーを飲みつつ溜息をつく。
本当はコーヒーはイメージ内の産物なのだが、
娘々くらい設備が整っていると、
コーヒーすらイメージから感覚に持ってくる事が出来るのだ。

この喫茶店には高校生占い師がよく来るらしい。
まだ若いが、とてもよくあたる占いをするらしい。
娘々はその占い師にも逢いに来ていた。
来ないなら来ないで構わないとは思ってもいたが…
まぁ、占いに頼ってみるのも一興とも思っていた。

近くにはカップルがいた。
どうやら、その占い師に今後のことを聞いてみるらしい。
いい占いだけではないだろうに…
娘々はそう思った。
でも、そのカップルを見ていたら、どうしてでも良い結果を言いたくなった。
その位しあわせそうなカップルだった。

占い師がやってきた。
と、同時に、大勢の客が押し掛けた。
娘々はちょっと圧倒された。
そうまでして聞く結果でもないと、娘々は占いを諦めた。
近くにいたカップルも占いを諦めたようだ。
カップルこそ占い気にするものじゃないかなと思っていたので、娘々はちょっと意外に思った。

今度はどこへ行こうかなと思った。
この喫茶店の近くに、新聞社のサイトがある。
そこをのぞいて行こうかなと思った。
最新情報がすぐに手に入るはずだ。
そうでなければまたメール待ちをすればいいや、とも。
ともかく娘々は気楽に構えることにした。
焦れば飴玉を傷つけることになるからだ。

飴玉には宝石のように輝いていて欲しい。
娘々はそう思った。


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