斜陽街で逢いましょう
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娘々は熱帯の植物が生い茂るところへやってきた。
ここに飴玉が出たという情報を得たからだ。

娘々はゆっくりと飴玉の軌跡を追ってみることにした。
まず飴玉は軍同士のぶつかる密林を抜け、
古ぼけたビルで「彼女」と接触した。
目撃者の情報だと、会話はなかったらしい。

「彼女」は無言の賢者とも、真理とも呼ばれている。
全てがそこにあり、また、そこには何もない。
多分どちらも真実なんだろう。
そうして、彼女の両親はその事を何も知らない。
だからいつも隠されている。
「もったいない…」
娘々はそう思った。

飴玉は彼女に逢い、
密林を抜けて山道に入った。
ログから察するに、鳥篭を買って、海を目指したんだろう。
吊り橋を渡ったり、洞窟に入った痕跡があった。
「彼もまた海を目指していたんだ…」
そうして海に出る直前、彼は見つかってしまった。
Candyを敵視する輩に。
そこで鳥篭を使って逃げた。
概ねそんなところだろう。

彼もまた海を目指していた。
多分彼自身何に惹かれて海を目指しているかわかるまい。
娘々は何となくわかる気がした。
彼は安らぎの場所を求めている。
安らぎを他人に求めればすぐなのに、
他人を…特に大人を信じていない。
信じたい幼子。
守ってあげたいと娘々は思った。

次はどこで逢えるだろう…
ころころ転がる飴玉に。


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