白の空
07
一週間ほどして、レオンも板を
…エアボードという名前がついていた…
それを使いこなす事が出来るようになり、
まるで波乗りのように空を飛べるまでに至った。
ギアビスは、そんなレオンの様子を満足そうに見て…
「そろそろいいかな」
と、呟いた。
レオンは風を切っていた。
島の上空、結構強い風をレオンは相手していた。
最近では高度をどこまで上げられるかに挑戦をしていた。
レオンの記憶はどこかで引っかかったまま戻ってこない。
それを振り払うかのように、レオンは風を切った。
やがてレオンが降りてくる。
しかし、いつもは下にいて飼い犬のように駆け寄ってくるギアビスはいない。
きょろきょろとあたりを見回すが、いない。
(家にでもいるのだろうか?)
そうして、戻ろうとしたその時。
「レオン」
視界の端から声がした。
薄々、感づいていた。
白いローブに白の髪。
幼く純粋な性質。
そして、どうしてレオンが飛べないといけないか。
答えはすぐ傍にあった。
風が吹いた。
真っ青な空に。
レオンはギアビスを見詰めた。
ギアビスはふわりと笑った。
輝く白。
その背には…二枚の翼があった。