君は路地を走った。
しかし、走っても走っても浮浪児の姿は見えない。
さっきの道を逆に進むんだったかなと後悔をし始めた時、
君は呼び止められた。
「『これ』の持ち主は…君?」
『それ』を声の主は投げ渡した。
『それ』は紛れもなく君の情報だった。
「僕はネギぼーず。一応君と同じ電網系だよ…これは…さっきの浮浪児が転んだ時に落としていったんだ。ツイてるね、君。情報とられると、君としてさっきの浮浪児が生きていくなんてこともあるからさ…ま、君になりきるには、まだまだ情報が要るけどさ…」
ネギぼーずはとりあえず気をつけてね、と、君を見送った。
とりあえず斜陽街を歩く