「あっはっはっは…」
男は大笑いした。
「なんとも、面白い選択をしてくるな。面白いやつだ…」
男は、たまにゃいいかと、アイスココアをおごられるままにした。
「俺は、コーヒーの似合う、渋い男で通ってきたつもりだったんだがなぁ…」
ココアを飲みながら男は話す。
「選択肢はいくつもある、という事か」
男はココアを飲み終わり、
「約束だな。妄想テープのありかと噂されるのは…というか、妄想テープを盗んだらしいとされているのは…斜陽街のディープで店をやっている神屋の主人だ。結構確かな筋からの情報だ」
男は店員を一人呼ぶと、
「裏口を通してやってくれ」
と、頼んだ。
ピエロの顔をした店員は頷くと、
「どうぞこちらへ」
と、君を促した。
「ここの裏口はディープの入り口でもある。神屋を探しな…」
そして君は喫茶店の裏口を抜けた。
とりあえずディープを歩く