世界をつくる


あるいは。
混沌というべき空間。
無というには、存在がある。
有というには、秩序がない。
ただ、様々のものが漂う空間。
それは、素材というものかもしれない。

そこに、人がやってきた。
3人の魔法使いとでも言えばいいかもしれない。

「私は、この素材をもらおう」
「この素材は、勇者向きかな」
「面白い素材がある。いい世界が出来そうだ」

魔法使いは素材を吟味し、
世界をつくらんとする。
次々素材が意味を持つものになっていく。
町…城…村…
洞窟…
そして、住まう人々、旅する人々。
モンスター、魔法。
世界は一通り出来上がった。

魔法使いは、
素材のあった混沌を見た。
そこには、使われなかった素材のキャラクターがいた。
魔法使いは、彼に語りかけた。
「君も世界をつくってしまうといい」
素材は意思を持ち、
世界をつくらんと動き出した。

誰にも出来ない世界をつくること。
箱庭の楽園でも、
誰も真似できない世界をつくること。

創作とは、そういうものかもしれない。


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