特別な僕
化け物がいる。
僕はそれを倒す。
いつまで倒せばいいのだろう。
僕は廃墟の上で宙返りする。
天と地がさかさまになる。
重力を無視した一瞬。
僕は武器を構えて回る。
化け物を倒す。
ここは何でもある空間。
化け物だっているし、
天使も悪魔もいる。
僕だっている。
普通じゃない僕。
普通の僕から遊離した、
普通じゃない僕。
特別な僕。
何をしてもいいのなら、
僕は化け物を屠る。
生きることも殺すことも出来ない、
普通の僕では出来ないこと。
悲しいけれど涙はでない。
普通の人が知ったら、
哀れむだろうか。
それは心地いいものだろうか。
何でもある空間で、
店が軒を連ねている。
なんでも屋だ。
そこを化け物が襲撃すると、僕は知る。
許せないと思う。
僕の鼓動が高鳴る。
普通の人を守らなければ!
チープな正義感。
それで構わない。
特別な僕だから、
化け物を屠れるから。
ごっこ遊びと見えるならそれでいいさ。
でも僕は何でもある空間で特別になれた。
でも、時々思う。
化け物がいる。
僕はそれを倒す。
いつまで倒せばいいのだろう。