とき色の空


眠れなくて、明け方、
カーテンを開けてみた。
少しまぶしく感じる。
思ったより夜の目になっていたらしい。

空は色を変えている。
凪いだ朝の空。
きっとこれが、とき色の空なんだ。

とき。
絶滅した鳥が、そんな名前でなかったか。
繁殖させようと気がついたときには遅かった。
そんな運命を辿った鳥じゃなかったか。

とき色の空。
カラスも小鳥も鳴き始める。
鳥に意図したものはないかもしれない。
ただ、朝だから起きだしただけかもしれない。
鵺鳥鳴くとはいったものだ。
とき色に染まり始めた空には、
まだ何かが潜んでいるような気がする。

明け方の空はとき色の空から、
金色のお日様の空になる。
今日は晴れるだろうか。

どんな空だってきれい。
とき色の空は羽毛のような優しさで、
寝ぼけた人を包んでいる。

梅雨は明けたかな。
強い日差しの前の、
朝凪のとき色。


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