紙飛行機


カンナちゃんは、紙飛行機を折ります。
白い紙を丁寧に、どこまでも飛べるように。
カンナちゃんは、紙飛行機を飛ばします。
どこまでも飛べるかな。

紙飛行機はくるっと回って、
カンナちゃんのほうを目指します。
カンナちゃんはぎゅっと目を瞑ります。
次の瞬間、
カンナちゃんは風の上にいます。
カンナちゃんは自分のいるところを確認します。
そこは白い紙の上。
カンナちゃんは紙飛行機の上にいます。
カンナちゃんは小さくなって、
小さな紙飛行機に乗っています。

カンナちゃんはお部屋の窓を出て行きます。
紙飛行機に驚いた猫が、
にゃあ!と鳴きます。
カンナちゃんは猫に挨拶すると、
家の裏手を回ります。
そこはまだ冷たい用水路が流れています。
春になればきっと温かくなるのでしょう。
そして、カンナちゃんにはまだまだ危険なのでしょう。

カンナちゃんはスーパーを回ります。
そこは人でごったがえ。
カンナちゃんが飛んでいることをわからないくらい、
おばさんたちが何かを取り合っています。
お肉かな、お野菜かな。
お母さんはどこかな。
カンナちゃんは家に戻ろうと思いました。

カンナちゃんがスーパーを後にすると、
紙飛行機の傍を、大好きなアニメのキャラが飛んでいます。
カンナちゃんは満面の笑みを浮かべます。
さぁ、お母さんが帰ってくる前に、
さぁ、今までお昼寝していたんだといえるように。
お部屋でお眠りしよう。

カンナちゃんの小さな大冒険は、
こうして今日も終わるのです。


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