花になって
心の醜い部分が全部花に変わればいいのに。
一途な花を見ていたら、そんなことを思う。
いろいろ、人に言えないことが、
全部花に変わって咲けばいいのに。
そう思うほどには、いろんなことを閉じ込めている。
黙れば黙るほど、花が咲いたらいいだろうな。
言えないことが増えるたびに、
言葉が思いがどんどん花になって、
埋もれてしまえばいいとも思う。
少なくとも、心に重荷を抱えているよりはずっといい。
花に沈むってどういう気分だろう。
それは、醜い言葉に沈むよりはずっと心地いいと思う。
一輪また一輪増えていく、醜い言葉だった花に、
絶望することはあるんだろうか。
黙れば花が咲いたらいいな。
心の醜い部分が、全部花になったらいいな。
そうやって、綺麗な花の中に埋もれて、
本当は何もかも、なくなりたいのかもしれない。
なにもかもぜんぶ。
花になって消えてしまえ。
醜い言葉を残さずに、
花になって消えてしまえ。