旅立つ朝
あなたに会えるはずの旅立ちの朝は。
いつも不思議な空気を運んできます。
遠い遠い、何百キロメートル。
そこにあなたがいるはず。
本当にいるのだろうか。
私の妄想でないだろうか。
さびしがりの私の作った、
妄想ではないだろうか。
左耳にこだまするあなたの声を頼りに。
私はこの朝に身を投じます。
この声がするほうに。
記憶のあるほうに。
あなたの微笑があるほうに。
何百キロ。
軽く苦難を乗り越えて、きっと私は会えるはず。
あなたにきっと会えるはず。
あなたに会えれば、
多分私は永遠を信じられます。
朝が何度も来るように、
太陽がいつもあるように、
あなたのことを信じられると思います。
あなたはそういう人。
だから私は、何度でもあなたに会いにいく。
あなたに会いに行く旅立ちの朝。
不思議な空気の、朝。
太陽が何度も繰り返してきた朝。
でも、特別な朝。
さぁ、あなたに会いにいこう。