沈み日和


甘いお菓子と、おいしいコーヒー。
気分がよければ心に沈みに行こう。
気分が落ち込むわけでなく。
海に沈むように、心に沈んでいこう。
吐く息を細く長く。
気がつけば、吐く息が泡になっている感覚がある。
泡は上へ上へと上ってく。
そして、心に深く深く沈んでいく。

心の中にはいろんなものがある。
どこかで見たお魚を泳がせるのもいいし、
無節操に花を咲かせるのもいいし、
光をくるくる回すのもいい。
今まで取り入れたものが何でもある。

沈み日和のこの心に、
音はなんだか似合わなくて。
それがちょっとだけ残念で。

甘いお菓子の感覚。
それは、うれしい思い出とともに。
おいしいコーヒーの感覚。
それは、背伸びした恋のように。

呼吸を合わせれば、
どんな思い出にも会える。
そんな、沈み日和の昼下がり。


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