部屋の中
人の声を忘れそうだ。
覗き込むネットのなかはうるさく、
たくさんの正義に満ち満ちている。
うるさすぎて、時々しんどい。
それなのに、この部屋をはじめとして、
外に出ても会話をしないものだから、
人の声を、言葉を忘れそうで、
さびしいし、苦しい。
この部屋は誰とも会話しないようにできている。
いたって普通の部屋だけれど、
孤独が増すばかりだ。
助けてと言おうものなら、
恵まれているのにどうして助けてなんていうのと、
疑問を持たれるかもしれない。
だから、助けてなんて言ってはいけない。
自分の中で言葉が狩られているのを感じる。
言ってはいけないこと、
聞いてはいけないこと。
うるさいから音楽も聞いてはいけない。
疑問を持ってはいけない。
どこに救いを求めればいいんだろう。
何もないということが自分の中で膨れて、
今にもはじけそうになっている。
少しの小説も吸収できない。
自分の中で何もないが圧迫している。
もっと話がしたい。
ばかばかしいので構わない。
誰か話をしてください。
私の話に付き合ってください。
話をして、そして、私を許してください。
助けてください。
誰か助けてください。
孤独につぶされそうです。
何もなくてはじけ飛びそうです。
誰にも理解されなくて、消えてしまいそうです。
消えた方が幸せなのかな。
ときどき、考えます。