穴があいている


目を閉じ、
自分の内側を思う。
心の中を思うと、
自分の心の奥、穴がぽっかり空いている。

いつの間にこんな大穴があいたのだろう。
常日頃、小さく満たされないなぁと思っていたけれど、
こんなに大穴になっているなんて思いもしなかった。
これじゃ心は満たされないわけだ。

徐々に穴が広がったのだろうか。
心が満たされるのが、
もし、この穴をふさいだ時だとすれば、
それは多分、ずっとずっと後になってのことだろうし、
死ぬまで穴がふさがれない気もする。

さて。
穴があいているのは悪なのだろうか。
心に穴もなく、満たされているのは善なのか。
善悪で割り切って考えるのは、幼稚かもしれないけれど、
穴があいてるんだもん、しょうがないよ。
ふさごうと努力するよりも、
この穴をどう使っていくかの方がいい気もするよ。

穴の周りを飾ってみようとか、
穴に何かを流してみようとか。
ふさがれないならそれでいい。
もう、なんでも心に流し込んでみよう。

心に雨を降らせよう。
感動の涙だけでなく、
きれいだと思った文章、
誰かの思いやり、
猫のゴロゴロ。
穴の中にどんどん流してみよう。

心の穴の深さ次第だけど、
次第に穴は湖になるだろうし、
穴を中心に緑も生えるだろうし、
私の内側の世界は、
心地よい場所になるはず。

さぁ、心に雨を降らせよう。


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