君はごみをあさり続けた。
あさっているうちに、だんだんそれが楽しくなってきた。
みちゆく人が君を見て言った。
「『浮浪者』がいるよ…」
そんな事は、関係なかった。
君は今、君のやりたい事をしているからだ。
数日後、君は以前の君そっくりの、かつての浮浪児を見ることになる。
彼は君から奪った情報で君になれたのだ。
君は君をなくした。
そして君は新しく、斜陽街での立場を手に入れた。
君の斜陽街での役割は『浮浪者』に決定をした。
ごみ臭いぼろをまとい、残飯をあさる…これが無上の喜びの輩に…
THE END