神屋の前には、お神酒を届けに来たという酒屋がいた。
「呼んでも返事あらへん…」
探偵という男はずかずかと神屋に上がり込んだ。
神屋の中は何か、ゴミとも古道具ともつかない物達がごろごろと並んでいる。
一つ一つに「○○のミコト」だの「△△の神」だのという札が貼られている。
これらの物には神が宿っているらしく、神屋はそれを売っているらしい。
探偵は奥の部屋を暴いた。
そこには、テープに雁字搦めになりながら首をつっている男がいた。
「神屋の店主だよ…遅かったみたいだな…」
折角夜羽に借りを作れるチャンスだったのに…と、探偵は悔しがった。
カセット部分のタイトルには「妄想テープ」とあった。
夜羽が探していたものに間違いはないだろう。
君はバーに戻り、夜羽にこの事を報告した。
夜羽は大変残念がった。
「もしかしたら…盗んだ人の妄想も聞けたかもしれなかったのになぁ…」
夜羽はぼやいた。
「とりあえず、探し出してくれてありがとう。約束だ。一杯おごるよ」
淡い色の液体を注いだグラスが置かれた。
「では、新たなる斜陽街の探索者に…乾杯!」
君の斜陽街での役割は『探索者』に決定をした。
後味の少し悪い終わりでも、君は探す事が出来た。見付ける事も出来た。
だから君の役割は『探索者』だ。それ以上でもそれ以下でもないだろう。
THE END