「本当に!?嬉しい!」
と、少女は君に抱きついた。
「じゃあ、遠慮無くいただいちゃいますね…」
無邪気な笑みを浮かべて、少女は片手だけを君の心臓の上にかざした。
君とかざした手の間の空間からオレンジ色のカプセルが幾つも出てきた。
5個までは数えられただろうか?
「夜羽さんのテープはですね…」
少女の声も聞き取れない。
君はだんだん気が遠くなってきた。
君は冷たくなった。
「大収穫ですけど…こんなに貰っちゃってよかったんでしょうか?」
少女は足元に横たわる君を見やって、
「どうしたものでしょう?熱以外のものは扱っていないんですが…」
と、しゃがみこんで考えた。
君は何もいえなかった。
君の斜陽街での役割は『不幸な犠牲者』に決定した。
熱屋の無邪気さと君の不注意が引き起こした、不幸な事故の犠牲者に…
THE END