「洗イマス」といっても、何を洗うんだろう?
ささやかな疑問を抱きつつ、君はその店に足を踏み入れた。
とりあえず、現時点では、店員が客の頭を洗っていた。
「ちょっと待っててくださいね。この方が終わりましたら、すぐに洗ってあげますから…」
マスクの向こうで店員が喋った。
君はそこにある席について、頭が洗われるのを待っていた。
しばらくして、店員が近づいてきた。
「今日は何を洗うの?」
何となく人懐っこい。
「あ、もしかして、はじめての人なのかな?」
君は肯定した。
「じゃ、リスト持ってくるね」
店員はパタパタと店の奥に入り、紙を持って戻ってきた。
「はい」
と、渡された紙には「洗い物リスト」とあり、
クリーニングよろしく服のそれぞれの値段、または、食器を洗う値段、
大掃除の部屋という部屋を洗う値段がかかれていた。
そして、下の方に目を移すと…
『小腸…20000円』
『大腸…25000円』
『背骨…50000円』
などなど…
「びっくりしちゃった?はじめての人はそうなのよ。でもね、いつも使っているものを洗わないって損でしょ?だから、ここで、あちこちを洗ってあげるの。はじめは痛いけど…慣れちゃうと快感よぉ…」
店員が勧めてきたが、
君は辞退した。
「とりあえず、何か洗ってあげるからさぁ…」
名残惜しそうに店員が引き止める。
どうする?
髪の毛を洗ってもらう
洗ってもらわない