陶頭の翁とナナイロの宝 2


サンダーおじいさんは、
王国のはずれから、
王国の中心の町へとやってきました。
中心の町で、賢者として呼ばれた人たちとお話をしました。
みんな、どうしていいかわからない。
何かを探さなくてはいけないのに、
探すべきものが何なのかがわからない。
賢者の方々は、行き詰まりを感じているようでした。
あるいは、賢者に仕立て上げられて呼ばれた人もいました。
知恵を出せと言われても、何を出していいかわからない。
何が役に立つのか、さっぱりわからないのでした。

サンダーおじいさんは思いました。
みんな何かの知恵を持っている。
それを閉じ込めていてはいけない。
サンダーおじいさんは、ひとつ考えました。
そうだ、宴をしよう。
貧しい王国だから高価な酒はありません。
けれど、器だったらサンダーおじいさんのものがあります。
安い酒でも、最高の器ひとつ、
それから仲間がいれば、たちどころに場は変わる。
サンダーおじいさんは、そう踏んだのでした。

もくろみは大当たりしました。

賢者として呼ばれた人たちは、
お互いの知識や知恵を、
存分に発揮をすることが出来るようになりました。
宴を通して、彼らは仲間となることが出来たのでした。
サンダーおじいさんは、人の和もまた、
この国の宝かもしれないと思いましたけれど、
仲間の、ある賢者は言うのです。
ナナイロの宝は国に眠っているものといいます。
おそらく地に埋められているものと思われると言うのです。
サンダーおじいさんも、国の地図をのぞいたり、
賢者や発掘調査の結果などを聞きかじりではありましたが、聞きました。
それだけではたまらなくなって、
サンダーおじいさんは、ナナイロの宝があるらしいところを掘っている、
現場にも赴きました。

現場をいろいろ調べて。
季節が巡りました。
この王国が豊かでも貧しくても、
変わらず美しい季節が巡っていきました。

サンダーおじいさんは、見つけました。


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