思い描く未来に


僕は過去を思う。
いろんなことがあって、そうして僕はいる。
僕は未来を思う。
僕がたどり着いた瞬間、「今」になってしまう未来を。
それでも僕は思い描かずにはいられない。
自由に、未来を。

僕の過去に何があったか。
本当にいろんなことだと僕は思っているけれど、
傍から見たら、それは些細なことだろうし、
あるいは、とんでもないことなのかもしれない。
でも、僕はその過去から、僕を作っていて、
そうして作られた僕は、未来に向かって両手を伸ばしている。
僕が作った僕。
間違いなく僕は僕の作品であり、
自由なこの時間軸の中、
未来に向かって確実に歩き続けてきた。
振り返ることもあった。
後悔だって山ほどある。
それでも僕は歩き続ける。

僕は未来に向けて両手を伸ばしている。
差し出されたその手を誰かが取ってくれることを、
期待しているのか、していないのか。
僕自身にもわからない。
けれど、僕は両手を伸ばすことが正解だと思っている。
空に向けて、希望に向けて、
いつかつかめると信じて。
空をこの手につかめるような希望。
それを信じているのかもしれない。

僕はどこにでも歩いていける。
僕は自由だ。
そして僕は自由のその中で、
僕の選択した未来に向けて歩く。
僕自身が決めたこと。
誰にも束縛されないそこで決めたこと。
だから、両手を伸ばす僕が不自由に見えていたとしても、
それが綱渡りのように不安定に見えていたとしても、
僕は自由の只中にある。
僕は自由だ。

過去は、歩くたびに落ちていく。
振り返ると、過去の記憶はあるのに、
そこにもう過去はない。
戻る場所はない。
思い出だけが僕の頼り。
そして、思い出すら僕の中では美しくはばたきを見せる。
思い出が伸ばす両手から、
きれいに未来への道しるべとなる。
僕の思い描く未来。
この両手はそこに向けて。

自由に思い描く未来。
僕の過去が、僕の未来を照らしている。
すべてはつながっている。
僕は今ここにいて、今、僕は自由だ。


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