老人会露店
クーロンの真ん中あたり、老人中心はある。
そこは老人達の社交の場であり、
老人中心の建物の中は、
以前、ダンスホールのようであったらしい。
静かになってしばらく経つという。
さて、そんな老人中心のホールの近く、
老人達が趣味で作った品を置いている、
老人会の露店がある。
ノットマンはそこにふらりとやってきた。
やる気のない風水師が紹介してくれた場所で、
露店街に置かれている品物を見ていたら、
老人中心の辺りにも露店があると紹介してくれた。
たどり着くまで、散々迷ったことはとりあえず置いておく。
クーロンに来たら、とりあえず迷うものだ。
中途半端なクーロン住人の、ノットマンなら多分なおさら。
いまだに、観光客にも住人にもなりきれていない。
そう、多分ノットマンはなりきれていない。
ノットマンは、露店の品々を見る。
なかなかレベル高いなと思うのは、
ノットマンがまだ新人の域を出ていないからだろうか。
それを抜きにして、
老人になりきっている人が、ちゃんと作っているなと感じる。
そう、このクーロンで老人という役割を見出した者が、
老人の老人による、を、実践している場所なのだ。
しかも、これは、死にかけたよぼよぼの老人ではない。
作られたものから伝わってくるのは、
生き生きとして人生謳歌している老人だ。
近くに体操をする場所があるのに、ノットマンは気がつく。
老人の元気の秘訣かなと、ノットマンは思う。