逆転のサンザイン
強い信頼の心は、
何もないサンザインの心に、
新たな力をともす。
力は共鳴する。
ハサーンを撃退したあのときのように。
暴徒が押し寄せる、
その波の中、
華麗に敵を昏倒させていく水色。
技をかけて力を失わせる紫色。
突進する黄色。
見たことのない色が、戦っている。
「助けに来たよ!サンザイン!」
振り返ると茶色の…サンザインが。
「ムダヅカインは残していったのだよ。希望のコインを」
サンザイン・ブラウンは語る。
その声には聞き覚えがある。
「サンダーマスター!」
「そう、わしだよ」
ブラウンはうれしそうに笑った。
「ウェイクアップコインの封印は、信頼の強さで解かれる」
「それじゃあ…」
「うむ、彼らは新しいサンザインだよ」
サンザイン・アクアのリカ、
サンザイン・パープルのネジ、
サンザイン・イエローのグリグリ。
彼らは新しい力で暴徒相手に大立ち回りを演じている。
数では圧倒的にサンザインのほうが不利だ。
でも、信じあえる仲間がいるというのは、
新しい仲間がいるというのは、
なんと気持ちがいいものだろうか。
「この程度なのですか、サンザインって」
ゼニーの力の激しい波。
中心には、ヨーマ少年と、そばにいるサンザイン・シルバー。
暴徒を力で吹き飛ばしている。
「世界を救ったにしては、あまりにもお粗末じゃないですか」
「ここからが本番だ」
ブラックが答えると、ヨーマは不敵に笑った。
サンザイン・ゴールドが、面白そうにそれを見ている。
「まだまだ!」
聞き覚えのある声。
爆発的なゼニーの力が、渦を巻く。
「使え!質素倹約してきたゼニーの力だ!」
信頼に裏打ちされた力は、
シッソケンヤークの手により、駆け抜ける龍のようになる。
怪盗が、魔法少女が、どこかの王子様が、
様々のヒーローが、元悪役が、
サンザインたちを助けてくれる。
ピンクが走り出す。
ホワイトが援護する。
グリーンは遠慮をしない。
ブラックは華麗に蹴りを放つ。
そしてレッドは、新しい力をもって、
目を覚まさんばかりの衝撃を作り出す。
龍が駆ける。
光の龍が駆け抜けていく。
あのときがそうであったかのように、
この地に根ざした龍が、咆哮をあげて駆け抜けていく。
「目を覚ますんだ!」
サンザインの叫びが高らかに響く。