量産型サンザイン
世界の経済が停滞している。
ふさがれた経済の流れは、あまりいいものを生み出さない。
それどころか、生み出すということが欠落している。
経済はじりじりと悪いほうに向かっている。
ムダヅカインには見える。
ゼニーの力に取って代わっている、
マネーの力。
何も考えない、物真似の力。
おそらくはガタリが使っている力。
これ以上ガタリの好きにさせてなるものか。
サンザインは集う。
正義の散財の戦士は集う。
信頼のゼニーの力の戦士。
みんなの懐を守る戦士。
幾多の困難を乗り越えてきた彼ら。
ムダヅカインは、彼らを信じ、
彼らもまた、サンザインの正義を信じている。
心にある指針を信じ、
みんなの笑顔のあるべき方向を信じている。
「いまさら、言うことはないかもしれん」
ムダヅカインは、サンザインに告げる。
「勝ちて帰れ、生きて帰れ。それだけだ」
サンザインはうなずく。
みんなの笑顔のためには、
誰が欠けてもいけない。
笑顔を曇らせるやつらを、
徹底して掃除しよう。
未熟なヒーローのサンザインかもしれない。
それでも、望む限りの笑顔が欲しい。
守るべきものを、守れるくらい戦いきりたい。
ムダヅカインは感じる。
マネーの力のたくさんの気配。
青い悪魔のコインに操られた、
サンザインの真似をするたくさんの気配。
「量産型の悪いサンザインというわけか」
ヘキがつぶやく。
ぞろぞろといる青いサンザイン。
個性のない、おばけのようなサンザインたち。
「それじゃ、いくか!」
リーダーの言葉に、仲間は応じる。
勝利して帰る、生きて帰る。
この世界の経済をヒーローとして守る。
閉塞した経済に風穴を開ける。
思うところいろいろある。
それでも、かっこいいヒーローでありたい。
「散財!」
彼らは変身して、
悪の青いサンザインに挑みかかっていく。
色とりどりのサンザインが、
青い偽物のサンザインを蹴散らしていく。
倒された量産型サンザインから、
青いコインが落ちていって、ちりちりと消えていく。
(サンザインは負けない)
この無数の量産型サンザインも、小手調べに過ぎないのかもしれない。
(正義は貫いてこそ正義)
いろいろな敵がいた。
この偽サンザインの裏にいるのは、
きっと飛び切りの悪いやつ。
(サンザインは、絶対勝つ!)
信じるもののため、サンザインは戦う。