とびきりのゲーマー
ツーと名乗っているゲーマーがいる。
とびきりのゲームにやってきた、ゲーマーだ。
この世界はゲーム。
終わることを知らないゲーム。
ゲームは楽しんだものの勝ち。
このクーロンも、また、人生の延長上にある生活のゲーム。
しかし、時間をかけたものがこのゲームで勝者かというと、
決してそういうわけではない。
だからゲームは面白い。
クーロンの町を遊びつくすことはあるのだろうか。
路地を覚えるだけなら、何度か迷子になればいい。
人と知り合いたいなら、どっかよそに行ったほうがいい。
この町はクーロンズゲートからやってきた、
そこからイメージがやってきた、クーロンという町。
基本金がかからない。基本は。
これで、金がまわり始めたら一体どういうことになるのだろうか。
ツーはこの町を楽しんでいる。
決してスリリングではない。
勝者が明確にわかるわけでない。
遊びつくす瞬間がわかるわけでない。
けれど、このクーロンという町、それをツーはゲームに見たてる。
自由を楽しむゲーム、そして、それ以上が存在するかもしれないゲーム。
この町には一体何が潜んでいて、これから何が現れるのだろう。
最近、コインが落ちているという情報をツーは得た。
通貨が落ちているわけではないので、
無意味といわれれば無意味かもしれない。
けれど、そういうレアアイテムゲットに魂燃やすのも、ゲーマーのさだめであり、
見つからないと、さらに燃える。
ゲットできないならそれでいいけれど、
なんというか、遊びつくしたいのかもしれない。
このとびきりの世界、とびきりの汚れた町。
さぁ、次は何をする?
町の作業場に人が集まる。
何かを作っているようでもあり、
何か話をやり取りしているのかもしれない。
こうして何かがクーロンに生まれていくのならば。
新しいものが何かしら生まれていくのならば。
それは、とびきり面白い。
予測不可能な創造がこの町にあるに違いない。
ツーは微笑む。
コインが見つからないのは、まぁしょうがないけれど、
もっといいもの見つけたら、それはそれでいいかな。
今はまだ見つけたと思っていないけれど、
何かかけがえのないものがこの町を通して得られる、そんな気がする。
できたばかりの町で、
ツーはゲームを楽しむように、町での人生を謳歌している。